してはダメ!確定拠出年金とiDeCo 6月は年に一度の見直し時期 リスク説明があまりにないので解説します

資産

いろんな投資をしてきた私ですが、どんな失敗をした時も「確定拠出年金よりはまだマシ!」と自分を励ましています。一般的に確定拠出年金やiDeCoはリスク説明がまるで足りていません。6月は年に1度の見直し時期。改めてそのリスクをまとめてみました。

本日の記事

  1. 確定拠出年金の概要
  2. 確定拠出年金のリスク3選
  3. 確定拠出年金唯一の改善策
  4. 私個人の感想

この記事の想定読者

  • 入社や転職で確定拠出年金を勧められている人
  • 既にしている人

この記事を書いているなぎささんは

2011年4月の新卒時より約12年間企業型確定拠出年金をしてきました。

そのかたわら、米国株のインデックス投資や不動、太陽光事業、貯蓄型の生命保険などいろいろな投資をしてきました。(関連記事

結論確定拠出年金ほど最悪の資産運用はないと思っています。

確定拠出年金の概要

確定拠出年金は3層目の任意年金で、60歳以降になると退職金として受取が可能になります。

詳細は厚生労働省HPを確認ください。

確定拠出年金の立ち位

置確定拠出年金は一般的には3層目の年金といわれています。

1層目と言われるのが国民年金で全国民が強制加入しているものです。

2層目は厚生年金と言われるもので企業が社員のためにかけている年金です。

そして3層目がこの確定拠出年金です。

これを企業側に福利厚生制度として準備されている場合が「企業型」確定拠出年金であり、

これを個人でするのがiDeCoです。

i=個人(indivisual)

DC=確定拠出(Defined Contribution)

他の年金との違い

一言でいうと、60歳まで解約できない個人の証券口座です。

  • 任意加入 (国民年金は強制)
  • 自分が払い、自分が受け取る (国民年金は若者が払い、年寄りが受け取る)
  • 掛け金が毎月一定 (国民年金や厚生年金は給与連動)
  • 運用は受給者責任 (国民年金と厚生年金は国や企業が運用)
  • 転職に左右されず継続できる (厚生年金は転職時に精算)

確定拠出年金のメリット

免税で個人証券口座に資産を積めるのがメリットです。

  • 掛け金を所得控除できる
  • 転職に左右されず長期運用できる
  • ドルコスト平均法で安全に積み立てできる
  • 端数処理含めてアセットアロケーションが簡単
  • MoneyForwardで時価取得ができる

確定拠出年金のリスク3選

リスクが高い順に下記3つの特徴が上がられます。

  1. 60歳になるまで現金化できない
  2. 積み立て額の総額に対して課税リスクあり
  3. 運用商品の選択肢が少ない

60歳になるまで現金化できない

損得勘定を抜きにして、「現金化する方法がない」というのは確定拠出年金くらいでしょう。

例えば、どんなひどい土地でも、安くすれば売れる可能性があります。

どんなひどい詐欺商品であっても、裁判に勝てばいくらか戻るかもしれません。

人間、誰しも本当に困れば、自分の血液や腎臓でさえ立派な換金価値を持ちます。

なのに、この確定拠出年金に関しては60歳になるまで一切の現金化要件がありません。

厳密にいうと

下記4つの例外措置はあります。

※詳しくは厚生労働省のHPがわかりやすいです。

もししかるべきタイミングで現金化できたなら、このような状況に陥らずとも済んだかもしれません。

担保価値ゼロ

国民年金の場合2022年3月まで「年金担保融資」というのがありましたが、

確定拠出年金に関してはそれさえありませんでした。

現在ではどちらも違法で存在しない現金化手法です。

担保融資がないとは、担保価値がないということです。

現金化できないリスク

現金化できないと言う事は何かあったときに全く助けにならないと言うことです。

あったら救われた命。

あったら返済できた借金。

あったら挑戦できた夢。

いろんな可能性が60歳になるまでお預けと言うことです。

辞められないリスク 最低拠出額1000円の壁

解約による現金化ができないことにくわえ、

掛け金をゼロ円にすることもできないのが特徴です。

確定拠出年金は最低拠出額1000円/月という縛りがあり、拠出額をゼロ円化できません。

つまり、一度始めたら止めることができないサブスクです。

そんな商品、この世のにある?

継続困難のリスク

転職しても厚生年金と違って持ち込せるのが確定拠出年金の良さです。

しかし退職した日から6カ月以内に口座の持ち越し手続きをしないと運用側で現金化されてしまい、以降運用益ができなくなってしまいます。それどころか運用手数料が差し引かれ、どんどん資産が目減りしてしまいます。

一見手続き忘れをする人に問題があるように思われますが、全国で100万人以上も被害者がいることを思うと、運用側に悪意を感じます。

積み立て額の総額に対して課税リスクあり

多くの人は節税になると言う理由でiDeCoや確定拠出年金をしてると思います。

実はそれ、そうとも限りません。

特別法人税=積立総額*1.173%

確定拠出年金やiDeCoには「特別法人税」という税金が法律で定められています。

平成11年に定められて以来ずっと課税凍結されてますが、これが課税されると「総額に対して1.173%課税されます。考え方というと固定資産税(税率1.4%)と同じような話です。もし元本保証型の低リスク低リターン商品の場合、毎年目減り確実となります。

今年も例のごとく課税凍結延期が決まりそうですが(財務省資料)、貰える時期が何十年後となると今の常識が続くとも限りません。

それでも節税にはなるのでは・・・

しかし正しくいえばこれは「課税の先送り」であって、節税ではありません。

確かに60歳になるまで掛け金は所得控除されます。

しかし、実際退職金としてもらう時期が来たときどうなっているかは誰も知りません。

給与所得より退職金の方が高控除・低税率であると言うのは今の常識であって、未来は未来です。

特別法人税との二重課税になっているともかぎりません。

そもそも「特別法人税」といわれると、どう考えても個人の所得税の世界には当てはまらないと思いますが、しっかり個人口座に課税される税金です。

運用商品の選択肢が少ない

運用商品は運用側のカタログパッケージの中からしか選べません。

日本か米国か先進国か発展途上国か。それに加えて債権か株式か預金。

せいぜいこの組み合わせでしか商品群しかありません。

学びがない

マネーフォワードに連携すれば毎日簡単に時価を確認し、アセットアロケーションを変えることもできますが、実際にそんな人はいないでしょう。

預けたら預けっぱなしで無関心。これが確定拠出年金の城跡であり、学びがないというのが12年間やってみた感想です。

長期間大金をかけた割に学ぶものが少ない。

これは大きなデメリットです。

確定拠出年金唯一の改善策

掛け金を最低拠出額の1000円まで減額することです。

これは年に1回6月にしか出来ないことです。

この時を逃すともう1年待たないといけません。

繰り返しですが、辞めることも掛け金をゼロにすることもできません。

最低金額の1000円まで減額をするのが唯一の改善策です。

その後は何で運用しようがすべては30年後。月に土地を買うような商品です。

私個人の感想

投資には「流動性」というのは大きなキーファクターがあります。

つまり、思い立った日から何日で現金化できるかです。

この世で最も売りにくいといわれている不動産ですすら、3ヶ月もあれば現金化できることをしりました。(関連記事

仮想通貨なら30分以内、

生命保険や株式であれば5営業日以内、

預金ならATMに行くまでの時間と手数料、

メルカリや古本などの棚卸商品なら2週間。

これがざっくりとして流動性です。

私の心情ですが、人間買う時と売る時に最も勉強し、それが次への投資原資となります。

もちろん、損得の数字も大切ですが、売りと買いができなければ、勉強にならず、次のものを生み出しません。

きっと確定拠出年年金しかしていない人は、その時価変動をマネーフォワードで見れることもしらず、差っ引かれてもわからない生活をしていると思います。

ある日特別法人税が発動しても、きっと気づかないのでしょう。