戸籍のふりがな問題 棒線「ー」は文字か記号か 衝撃の事実 日本人の名前に正式な読み方はない
もし名前の読み方に「ー」が入っている日本人がいたらどう思いますか?
- 日本人ですか? あ、沖縄の人ですか?
- 棒線「ー」って、文字なん?記号なん?
- そもそも戸籍登録で棒線「ー」って、ありなん?なしでしょう
わけのわからない質問と思われるかもしれませんが、日経新聞で話題になるほど重要な「社会問題」です。
棒線の扱いは私の名前だけじゃなくて、日本の社会問題らしい… https://t.co/OwJ0WQMkpi
— なぎささん 太陽光と不動産で夫婦3馬力を狙う (@nagisasan1234) February 9, 2021
本日の記事
- 衝撃の事実 日本人の名前に正式な読み方はない
- 起こりうる社会問題#1 偽名なんて存在しない
- 起こりうる社会問題#2 本人認証が大変困難
この記事から得られるもの
日本人の名前に正式な読み方はないことがお分かりいただけます。
信じがたい事実ですが、これは私の空言ではありません。平井大臣が言っていることです。平井大臣と言えば、国会議員として「法律を作る側」の人間であり、国会議員の中で一番ITに長けた人です。法律や戸籍に「詳しい」といわれる専門家とは違い、その先にいる人です。その人が、これから日本のデジタル化を進める上で、「ネックポイント」としています。
この記事を書いている私は
名前は非公開ですが、名前の読み方に「ー」が入っています。
この「ー」が原因で、金融機関で口座開設しようとすると、かなりの確率で一度NGがでます。おそらく、AIが「ー」の入力ミスを確認しているのだと思います。文字なのか、記号なのか。全角か半角か。正直、書いている私も、何が正しいのかよくわかりません。金融機関からしたら、口座の名義人を「半角カタカナ」という超マイナー書体で表示できる必要があります。ATMやネットで振込しようとすると、最後の最後に振込先の確認として、この「フリガナ」が出ますよね。あと、通帳の記帳。振込詐欺の対策で絶対必要。加えて、全金融機関のボトムレベルに合わせないといけない。多分、こんな理由で「フリガナ」問題は改善できないのでしょう。
でも言いたいです。日本人の名前には「正式な読み方」はありません❗️
1.衝撃の事実 日本人の名前に正式な読み方はない
自分のFacebookでは、笑いネタとして過去何度か書いてきましたが、日本人の名前には「正式な読み方」がありません。なかなかそれを理解いただけないので、権力者の言葉を引用します。
✔︎私が語るより、平井大臣の言葉をどうぞ!
✔︎戸籍にあるものとないもの
現代人の目線で見ると、戸籍はメチャクチャです。
戸籍にあるものは以下の通りです。ないものは「氏名の読み方」と「国民固有のキー」です。
- 本籍(自由選択で本人との関係性は問われない)
- 氏名(漢字の画像データ)
- 家族構成(父、母、続柄など)
- 出生~死亡までの身分事項(年月日と受理者で記載)
本籍は本人との関係性を問わない内容なので、実はチョーー無意味です。皇居に本籍住所をおく日本人が一番多いらしいです。
✔︎氏名の漢字はわりと自由
氏名は(テキストデータではなく)画像データです。画像データなので、書かれている内容はわりと自由です。
私の事例を上げると、戸籍登録時に、登録ミスがあります。「海」ではなく「海」です。他のシステムと照合しようとすると、「印刷」+「目力」に頼ることになります。役人が紙頼りなのは、このせいかもしれません。10件くらいならこれでもいいのですが、1億人の国民相手に「目力」はヤバいです。
✔︎その他の身分証明書
戸籍がダメなら、他で補えばイイじゃん♪
そう考えるかもしれませんが、他の身分証にも「読み方」は書かれていません。みんな独自システムを構築していて、相互連携ができません。必要時には、各担当者が「住民票」と「目力」で本人確認をしています。住民票と戸籍謄本、納税証明書に関しては、マイナンバーと連携しているので、機能するようです。
- 保険証 市区町村の国保担当者か総務(人事)部の社保担当者
- 住民票 市区町村の戸籍担当者
- 免許証 42都道府県警
- 年金手帳 日本年金機構がエクセル管理
✔︎パスポートがあるじゃん!でも、、、
外国からの圧力か、パスポートには唯一、「アルファベット表記」で読み方?が書かれています。
でも、この「読み方?」。ぶっちゃけ、申請時の気分と利害で決まります。気に入らなければ、更新するときに変えればいいだけです。新婚旅行に行く前にパスポートを変える人は多いですよね。あれ、そもそも変えないといけないのか?疑問です。もう一つ言うと、「名字の読み方」を変えられることは、日本人の半分が実証済です。有効期限とか関係ないです。好きな時に、いつでも、自由に読み方は変えられます。余談ですが、パスポートは発行者(日本国外務省)と顔写真と生年月日しか証明していません。氏名はサイン(間違い字OK)、本籍は無意味、住所は裏面に事後+自由記載。けっこうテキトーです。
✔︎名前の「ふりがな」とは一体何か
さて、結局のところ名前の「ふりがな」とは何か?私の結論は、単なる「習慣」です。
私の名前は「なぎささん」。そう言い張れば、その瞬間、新たな「習慣」が始まります。よく窓口とかで「ふりがな」の記載を求められますが、あれは整理券みたいなもんです。面白半分に棒線「ー」とか使ってみると、会話が弾みます。その時の気分で棒線「ー」なしにしてみると、手続きは「通常の速度」で進みます。どっちでも大丈夫というのを30年間実証しながら生きてきました。私は日本人ですが、日本は不思議です。
✔︎なぜ日本人の名前には「読み方」がないのか#1
平井大臣が言うには、総務省と法務省の押し付けあいで、長らく放置されてきたみたいです。
✔︎なぜ日本人の名前には「読み方」がないのか#2
日本人は文化的に「どう書くか」をすごく大切にします。
「わたなべ」とか何種類書き方があるのかわかりません。この無限の書き方をこなせてこそ、常識です。席次とか、名札、宛名。スゴく大切です。間違うと「失礼!」といわれます。読み方も同じく大切ですが、そこは常識といわれ、答え=「ふりなが」が書かれないことも多いです。どう読むかより、どう書くかの方が大切なのかもしれません。
2.起こりうる社会問題#1 偽名なんて存在しない
このふりがな問題を利用した「合法的な」マズい手口も多々あるようです。
✔︎こんな選挙ポスターが合法
ホリエモン新党の立花孝志
無関係の堀江貴文の顔写真を選挙ポスターに使ってしまう pic.twitter.com/3f8q6kJdrM— 瑞鳳殿 (@Righteousness03) June 19, 2020
選挙で誰に投じたか、もう意味がわかりません❗️
✔︎名前なんて変えたい放題!
Guess Who's Back!!! #RealSlimShady pic.twitter.com/jLnvrkpEd4
— Cancer (@CancerHangout) May 29, 2016
自称「ドナルド・トランプ」としてアメリカに入国できる。パスポートを更新すれば、次回入国時は「ジョー・バイデン」!さてさて、本当は誰?who is the real slim shady please hunds up! エミネムにこんな歌ありましたね。
3.起こりうる社会問題#2 本人認証が大変困難
コロナで特別給付金の支給が遅い!これは日本だけが経験した大きな社会問題です。なぜそうなるのでしょうか?
✔︎本人を特定するKEYがない
その理由は、各システム間で横断検索をするための「KEY]がないからです。
例えば、運転免許書や保険証、年金、銀行口座。これらを相互連携させようにも、日本人の場合、「読み方」が自由で、「漢字の書き方はシステム次第」。一体、何をKEYにして、機能横断検索をするのでしょうか?
例えば、同じ日に生まれた「渡邉太郎」さん。山ほどいます。銀行口座の場合「ワタナベタロウ」と漢字がないので、更に多いです。保険証は戸籍と同じ旧字体?を使用しているので、件数は同じです。これが運転免許書になると、「常用漢字(=例:渡辺)」に置き換わっているので、どの「わたなべ」かわかりません。住民票のように、一度マイナンバーと照合できればあとは楽ですが、そこまでの道のりが地獄です。エクセルでは1億のデータ変換はできません。どうやるのやら。
✔︎マイナンバーはあるけど、守秘義務と用途範囲が狭い
幸いマイナンバーが全ての国民に割り振られています。
マイナンバーとマイナンバーカードは別物。前者は政府が全国民に割り当てたもの。後者はそれを刻印して希望者に配ったカード。「カード」の有無にかかわらず、全ての国民にはこのマイナンバーがあります。これをKEYにすれば、今でも戸籍、住民票、税金関連をみることができます。最近コンビニで印刷できるようになったあれですね。
便利なようですが、残念ながら「守秘義務レベル」が高いため、実用性がありません。
✔︎個人ではなく、法人なら特定できる
個人にマイナンバーがあるように、法人には法人NOが割り当てられています。
用途は全く同じですが、後者の場合、国税庁のHPで誰でも検索できます。この機能を使って、「登記簿図書館」という民間組織が司法書士限定で「登記簿の逆引き検索」をできます。例えば、有名政治家の##さんが、何社の取締役を兼任しているのか?法人であれば検索できます。また、この法人NOを使って、帝国データバンクは与信調査の情報を販売しています。個人と同じく、同姓同名の法人は山ほどあります。それらを法人Noを使って、固有のものとしてデータ整理しています。法人OK、個人NG。あるべき姿は既に明確ですが、なぜかうまくいかないようです。