日本の電気自動車技術は世界最高だったのに涙 ガラケーからの2番底
テスラ欲しさの反面、自動車関連会社勤務のサラリーマンとしては危機感もあります。
- テスラの良さ(過去記事)はわかるが、このままではガラケーと同じ敗北では?
- 電気自動車って、ゴーン社長が去った後、推進力落ちた気がする
- 日本という名前になんでもかんでも敗北感を感じる。。。
そんな気持ちのサラリーマンに対して、スゴかった過去を伝えます。
本日の記事
- 2004年に総理と皇太子から絶賛された電気自動車があった
- 車両設計のコンセプトは今のテスラと瓜二つ
- 敗因は何か?
この記事からわかること
日本の電気自動車技術がスゴかったことがわかります。
多分、世界一でした。電池も磁石もモーターも車体設計も日本が世界一です。
では、これを組み合わせた時、どうなるか。。。
今の現状がすごく悲しいです。
しかし、テスラの創業と同時期の2004年時点では、圧倒的に日本に利があり、それが現職の総理大臣と皇太子殿下からも激励されていました。この事実は一体どこに消えたのでしょう。。。
この記事を買いているなぎささんは
自動車部品会社に勤める平凡なサラリーマンです。
新卒の就職活動をしていた2010年。当時はリーマンショックと東北大震災が重なり100年に一度の就職氷河期と言われました。当然自動車業界も厳しく、色々な変化がおきました。その一つが電気自動車です。販売開始直後のリーフ初号機を1日レンタルしたのをよく覚えています。しかし、それより6年も前に、こんな開発が大々的に進んでいたとは知りませんでした。
1.2004年に総理と皇太子から絶賛された電気自動車があった
説明は程々に、この動画をとにかく広めたいです。特に自動車関連のサラリーマンへ。
✔︎動画の概要説明
以下、動画の内容を列挙します。
- 1970年代から慶應大学では清水浩教授が電気自動車の研究をしていた
- 2004年の試作車には現職の小泉総理と皇太子殿下も試乗し激励していた
- 2009年に開発の目処がついたので、製品化のために30社と組んでSIM DRIVEを起業
- 電気自動車の普及を目的に起業したので、開発はオープンソース
- 2000万円の会員権を払えば、情報は全てタダで用途制限なし
- 試作車は自慢の時速370キロで、今のテスラ以上のスピード
✔︎試作車エリーカーの概要説明
もちろん今の目線で見れば劣っているところもありますが、2004年の段階でこんなにすごい試作車が公道を走っていたと思うと驚きです。時速は今のテスラより上です。
- 最高速度は時速370Km (モデルSは時速322Km)
- 30分の充電で300Km (モデルSはフル充電で637Km)
- 4人乗り (モデルSで5人乗り)
- 5.1m*1.9m 2.4t
- 0-100Km/H 4.1秒
- インホイールモーター
- ビルトイン式フレーム
- 8輪車(電車のマネ)
- バッテリーは日本製のリチウムイオン電池
2.車両設計のコンセプトは今のテスラと瓜二つ
驚くのは、車両設計のコンセプトです。
- インホイールモーター
- 車体一体型の電池
この2つは、まさにテスラの車体設計のキーとなるところです。これを今から10年以上前に既に実現されていたと思うと驚きです。テスラが革命児なのではなく、その時代の開発競争の中で、先行優位の日本を追い抜いたというのが事実かもしれません。
動画の詳細説明は省きますが、見れば見るほど、イーロンマスクと同じことを清水教授は語っています。当時イーロンマスクがブッシュ大統領に売り込めていたかというとわかりませんが、少なくとも、清水教授は政財界にTVも使って、しっかりアピールされていました。
しかし、残念なことに清水教授が起業したSIM DRIVEは1台も生産できないまま2017年に廃業しました。
その技術開発の続きが日本ではなく、アメリカなのが残念で仕方ないです。
3.敗因は何か?
では敗因は何か?
敗因は資金力だと、清水教授は語っています(外部記事)
試作品を作るための10億円を集められたとしても、安全性の評価や信頼を得るためには200〜300億円が簡単に消えていくそうです。しかもその間、売上が立ちません。このような経営環境にベンチャー起業では太刀打ちできず、どうしても資金力がものを言うそうです。
人の言葉を借りているので実感がないことですが、やはりカリフォルニアとそれ以外ではベンチャー起業に対する資金の集まり方が違うのでしょう。オープンソースの会員権が2000万円は激安ですが、この単価から目標金額を目指すのは難しいのでしょう。財務大臣を務めた竹中平蔵さんもSIM DRIVEの会社の写真には写っていますが、そのレベルの人が身内にいても同じく困難ということです。