ガソリン車が市場からなくなる理由5選 共存ではなく、ガソリン車はゼロになります!

仕事

  • 5年後、10年後と考えたときに電気自動車はどのくらい普及しているだろう
  • 2030年問題とかあるし、今後は電気自動車も増えるだろう
  • それでも車の寿命を考えると、ガソリン車は根強いはず

そんな甘い変化ではないです!!!

本日の記事

  1. 充電スタンドは実はもう十分普及している
  2. ガソリンスタンドは毎年減り続けている
  3. ガソリンスタンドを増やす障壁と充電スタンドの気軽さ
  4. 充電スタンドは看板と同くお店の広告
  5. 規模のメリットがないとガソリンは供給できない

この記事からわかること

近い将来、ガソリン車が市場からなくなることがわかります。

多くの人は、ガソリン車と電気自動車は共存すると思っています。用途や地域次第ではいいとこどりで、両方残ると。まるでスマホが主流になってもガラケーも残っているかのように。

しかし、電気自動車へのシフトはそんな生温いものではありません。ガソリン車はゼロになります。

この記事を書いているなぎささんは

ガソリン車メーカーのおかげで生きていますが、テスラ車が欲しくてたまりません。(過去記事

前職はエンジン部品、現職ではシートベルトを作っています。本業はエンジンメーカーの業績ありきですが、副業では売電事業をしており、電気や次世代技術にも興味深々です。

1.充電スタンドは実はもう十分普及している

電気自動車の航続距離問題が、いかに無意味な議論かがわかります。

✔︎航続距離問題は大ウソ

テスラのモデル3は庶民車ですが、航続距離が450KMもあります。フル充電で東京を出たら、大阪を超えて、京都まで行けます。これだけ走れれば、もう十分でしょう。

✔︎充電ステンドは十分普及している

もしも充電スタンドが世界遺産並みにレアなら問題ですが、実はガソリンスタンドの数に対して6割もカバーしています。これに加えて、家庭充電。さて、どちらが身近でしょうか?

一般社団法人次世代自動車センターHP

ガソリンスタンドは目立つところに、目立つように立っているので、存在感があります。でも、大体の人は自宅の駐車場を起点に、慣れた道ばかり運転しています。普及率もそうですし、身近という意味でも、充電スタンドは負けていません。

✔︎実質的な航続距離は無限

これだけ充電スタンドが普及していれば、どこまででも行けます。実質的な航続距離は無限です。

✔︎テスラ車が本気を出せば軽より安い

充電面で問題ないとなれば、バッテリーを車側で持つ意味は薄れ、社会全体に持たせるという発想になります。テスラモデル3の航続距離は450KMですが、実際その半分のバッテリー容量でも問題ないでしょう。

電気自動車の原価の8割は電池と言われています。

440万円するテスラ車がバッテリーを半分カットすれば、250万円代にはなるでしょう。そこに経産省の補助金40万円東京都の補助金60万円が加われば、実質150万円の未来もありえます。つまり、同じ新車の軽(150万円~)よりテスラの方が安いのです。

「から騒ぎの航続距離問題」がなくなれば、ガソリン車を買う人はもういないでしょう。これに上乗せして、燃費ゼロと故障リスク低減、エコカー減税がついてきます。電気自動車のコストカットはまだこれからです。

2.ガソリンスタンドは毎年減り続けている

✔︎ガソリンスタンドの減少は昔から(資源エネルギー庁

つまり、電気自動車のせいではなく、そもそもそういう業種です。

  • 若者が車への憧れをなくした
  • 車が昔のように売れない
  • 高齢化で車を手放す人が増えた
  • 後継者不足
  • コンビニにした方が儲かる
  • 維持費が高い(幹線道路沿いの角地)

これらは電気自動車とは無関係の問題です。

✔︎電気自動車のせいでガソリンスタンドが減るのはこれから

例えば、ある時点で電気自動車とガソリン車が1対1の割合になったとしましょう。

この時点で、ガソリンスタンドの売上はピーク時の半分以下になります。売上半減なら、店舗数も半減。そうなった時、次に身近なガソリンスタンドはどこですか?

✔︎自宅充電と違い、給油問題はもっとシビア

多分、この給油問題が引き起こす不便さは、販売初期の電気自動車以上だと思います。電気自動車のように自宅で8時間~~~とかいうレベルではなく、変えが効きません。この不便に耐えかねて、ガソリン車離れは加速します。

✔︎メンテとか考えると、もっと不便

下町の修理工場などはガソリンスタンド以上に厳しいでしょう。

電気自動車に比べてガソリン車は壊れやすく、部品も多いです。この不安を補ってくれたのが修理工場ですが、今後はこの生命線も細くなるでしょう。修理部品やノウハウも縁遠くなるでしょう。今はカッコいいかもですが、中古の外車は本当に厳しいです。

3.ガソリンスタンドを増やす障壁と充電スタンドの気軽さ

✔︎テスラは創業以来、昨年6月までずっと赤字

何をしていたかと充電スタンドの普及に投資していました。

この5年間でアメリカの地図がどう変わったのかを見てください。これがテスラ赤字の理由であり、充電スタンド普及のスピードであり、次の時代です。

テスラの充電スタンド 北米

✔︎ガソリン車メーカーはインフラ投資なんてしていない

一方、ガソリン車メーカーはガソリンスタンドの普及など考えていません。

日産が一生懸命充電スタンドを広げる中、彼らは何もせずに、過去のインフラで生きていました。減る傾向は昔からのこととしても、未来を見ていなかったと思います。

✔︎そもそもガソリンスタンドは参入障壁が高い

ガソリンスタンドをしようとすると、幹線道路沿いに、専門店を構え、本業でするしかありません。建物も1階立てに限定され、それ以外の用途併用が困難です。当たり前のことかもしれませんが、充電スタンドの手軽さと比較すると、雲泥のさです。

✔︎充電スタンドなら、通電した空き地さえあれば終わり

いつでも、どこでも、誰でも、副業で経営できます。スマホアプリで、akippaというのがあり、個人間で駐車場の貸し借りができます。地図を使って、貸し手と借りてが互いに検索でき、支払いもカードで行けます。この仕組みに将来的には充電サービスも乗っかるでしょう。自動販売機くらい簡単にできる副業として今後広まると思います。

4.充電スタンドは看板と同くお店の広告

✔︎電気自動車には充電スタンドの検索機能がある

これがそのまま、顧客を呼び込む看板(SEO)になります。

例えば、同じスーパーでも、充電設備がある方が電気自動車の呼び込みができます。また、充電目的でやってきた人を顧客にするチャンスがあります。喫茶店に入ってPCの充電か、PCの充電が目的で喫茶店か。そんな感じです。

✔︎これが宿になるともっとSEOに響きます

宿を探すのは、今も未来もスマホアプリだと思います。そんな時に、充電スタンドがない店はフィルターから除外されるでしょう。wifiがない!くらいの扱いです。

✔︎一方ガソリンスタンドは

カーナビというSEOを通してガソリン車の呼び込みに成功したとしても、ガソリン以外にはビジネスチャンスがありません。客も、ファーストフード以上に、足早に去っていきます。確かに車検や洗車、修理の話はあったにせよ、この生態系自体に組合わせるものが少ないです。

5.規模のメリットがないとガソリンは供給できない

✔︎原油がガソリンになるまで

色々とガソリンスタンドとガソリン車の話を書きましたが、これは規模のメリットがないと成り立たない話です。ガソリンは油田から毛細血管のように伸びたサプライチェーンの一端です。この過程で、何も原油がガソリンに化ける理由はありません。EUならディーゼル(軽油)が主流です。原油には火力発電の燃料や灯油、ジェットエンジンなどの用途もあります。その他プラスチックなどの化学製品の原料としても用途は多いです。

何がゆえに原油はガソリンを選んで化けたか。これは規模のメリットであり、ガソリン車が多いからです。

✔︎油田から小売まで

原油がガソリンになることを選んだとして、油田からガソリンスタンドまでの道のりは長いです。この長さと管理を考えると、充電スポットはなんと簡単なことでしょう。

✔︎コロナショックでは原油価格がマイナス

原油=お金と思って育ちましたが、原油=維持費でもあります。(外部記事

コロナショックのように急にガソリン(原油)需要がなくなると、原油の維持費の方が高くなり、お金を払ってでも引き取ってくれる人を市場は探し始めます。この異常事態に、トランプ大統領はアラブやロシアと減産交渉をしました。要は、需要がなくなれば、原油は資産から負債になるのです。

ガソリンがいつまでも身近といのは時代の錯覚です。