寄附の美学 ドイツが日本にくれたもの

同窓会 徒然

「寄附」や「信仰」のはなしを聞くと、日本人の多くはこう思います。

  • 怪しい。ヤバイ。来るな。
  • 何か裏があり、偽善者がすること。
  • 失脚ネタ。寄附や信仰は、失職の原因。

これを承知で、今日は勇気を持って、私の寄附の美学を書きます。

本日の記事

  • 日本は、同じく貧しかったドイツから寄付を受けてきた
  • 日本人は「寄附は政府がするもの」と思いがちだが、昔は違った
  • 寄附をしよう

この記事を書いている私は、日本ではマイナーなキリスト教徒で、毎週家族で教会に通っています。少額ですが毎週寄附をしており、教会の維持費のほか、地域の福祉施設に役立ててもらっています。その他、大学の同窓会幹事もしており、ブログ発信で募金活動をしています。育ちの話をすれば、実家がインドとの文化交流で生計を立てているため、海外では尊敬される寄附の美学に触れて育ちました。

そんな私が、今日教会で聞いた、ちょっといい小話を書きます。

と、その前に

こういう話をすると、日本の場合、誤解ばかりが先行するので、下記3点、先に述べておきます。

  • 赤十字や災害義援金に置き換えて、読んでください。
  • 用途ではなく、寄附という「手段」の話
  • 勧誘目的はありません。

日本は、同じく貧しかったドイツから寄付を受けてきた

✔︎箕面教会にある鐘はドイツの学生からの贈り物

箕面教会にある鐘はドイツから寄附されたものらしいです。

これ自体は、宣教活動として何気ない出来事ですが、特筆すべきは次の2点。

  • 募金活動をしたのは、教会ではなく、ドイツの学生達
  • この話は1950年代のことで、ドイツは敗戦直後で貧しかった

✔︎ドイツ人の寄付感

ドイツでは、寄附とは、誰もがすることであり、貧富や組織の大小の話ではないようです。

コロナ禍でドイツが取った行動を振り返ると納得がいきます。迅速に自国民に給付金を分配するだけではなく、芸術活動の国策をいち早く打ち、コロナに苦しむイタリアを助けたり。苦しむ自分をさておき、他国を救う活動もしていました。

✔︎ドイツ人が日本にくれたもの

敗戦直後で貧しかったはずのドイツですが、箕面教会の鐘に限らず、日本中に教会を通して寄付をしてくれました。有名どころでいえば、東京カテドラルはドイツからの寄付が大きかったようです。別の事例を挙げると、当時の神学生は、日本ではなく、ドイツからの寄附で勉強していたそうです。学生寮の個室には、寄付してくれた人の個人名が(複数)書かれており、学生は恩人を背負って勉強していたそうです。そこで「金持ちのパトロン」を想像してしまうのが日本人の貧しさで、実際に寄付をしてくれたのは、年金生活の貧乏な老人とかもいたそうです。

✔︎今日も鐘が鳴る

箕面教会に寄附された鐘には、「日本語」でメッセージが書かれています。

山と谷の~~~

桜の~~~

(~~~の箇所は、聞きそびれてしまい、すいません。)

箕面の自然をうたった内容です。てっきり聖書関連の言葉かと思いきや「桜」と漢字で書かれているので、本当に、相手のことを想像して出てきた言葉なんだと思います。当時の教会は、箕面の桜井にありました。

日本人は「寄附は政府がするもの」と思いがちだが、昔は違った

✔︎今の日本人の価値観

多分、「寄附は政府がするもの」という考え方が主流だと思います。人によっては、「納税以上の寄附はない」と補足するかもしれません。それも正しいとは思います。

✔︎昔の日本人の価値観

でも、もともと日本人には、寄附の美学がありました。

日本のほとんどの小学校は、明治期の寄付でできています。当時の小学校設立のブームを見ると、その規模とスピードでどこの国も舌を巻きます。大学などの創立史を見ると、今でも個人寄付の色合いが大きいです。今では、失脚ネタに過ぎないのが残念です(森友学園問題とか)

✔︎寄附の価値は見直されつつある

災害続きで、有名人の寄附が増えています。X JAPANのYOSHIKIが寄付をていることは有名ですが、それを真似た浜崎あゆみも、高評価を得ています。人知れず、安室奈美恵も災害義援金をいっぱい出しています。これを知ったあなたの印象は好転しますか?

寄附をしよう

寄附の文化はもっと見直されてもいいと思います。

お金がないなら、ボランティアや単に住んでる地域との関わりを増やすだけでもいいと思います。もっと言えば、寄付する人に「いいね♪」をするだけでも、それは寄付だと思います。逆に、これみよがしと、寄付をスキャンダル化しようとする人がいますが、それだけはご勘弁ください。

立場上、大阪大学 箕面新キャンパスへの寄付の仕方をこちらの記事で伝えますが、目的ではなく、「手段としての寄付文化」の見直しをしましょう。