クラファンで1000万円を獲得 大阪大学 歯学部+歯科技工士学校 寄付の美学

同窓会

大阪大学外国語学部の同窓会幹事をしている私ですが、

友人に阪大歯科技工士学校の同窓会幹事がおり、クラファン1000万円獲得のビックニュースを聞きました。

同じ同窓会幹事の立場として、他学部には学ぶところばかりです。

  • クラファンって何?
  • 1000万円でやっぱりスゴイの?
  • 寄付者のメリットは?

他学部分析として、自分の勉強もかねて記事を書きます。

本日の記事

この記事からわかること

寄付という業界が薄らぼんやり分かります。

日本人は最近貧しいので、稼ぎや節約ばかり気にしています。それも大事ですが、使う能力は美学です。

こっちの世界の方が世にも歴史にも残ります。

この記事を書いているなぎささん は

大阪大学外国語学部の同窓会組織、「咲耶会」の幹事です。

4000人規模で、預金3000万円。確かそのくらいの規模の組織です。

カッコよく言いましたが、何人もいる幹事の下っ端です。

この記事の想定読者

一緒に母校の発展を望んでいる幹事仲間と卒業生。

さて、本題です。

阪大歯学部と歯科技工士学校がクラファン1000万円を獲得

こんな話を他学部同窓会の幹事仲間から聞くとついつい自分も!!!となってしまいます。

この記事の出発点は、身近な驚きから〜

見つけた驚きで、少々嘘が入っていました。

正しくは阪大歯学部+歯科技工士学校です。同窓会は主催者ではありません。

さて、この規模がどのくらい大きいのか

さすがにこの知名度にはかないません。

Amazonやテスラの創業者が宇宙を目指すと公言し、前澤社長が宇宙旅行を語っていた頃です。

コロナ自粛でホリエモンのツイートが大荒れし、ある種の炎上商法としても目を引いたクラファンです。

でもでも、この有名案件の1/4の規模と思えば、スゴイ大成功ではないでしょうか。

しかもロケット4000万円に対する、歯の模型で1000万円です。ともすると、こっちの方がスゴイくらいです。

寄付内容の説明

順序が逆だったかもしれませんが、寄付内容の説明です。

この世にはいろんな障害者がおり、こと視覚障害者には「歯の磨き方」や「歯の治療」を説明するのは困難でした。

こんな時に使うのが模型です。

 

試行錯誤の結果、模型は完成し、いざ困っている人(病院)に届けようという事業が浮上しました。

ところが問題は、この必要性の頻度と規模。どうしても一般企業が「事業化」するには厳しいものでした。そこで、善意の塊として、クラウドファンディングという「寄付」に事業資金の獲得を求めたわけです。

模型は全国の歯科病院、障害歯科、盲人学校への寄付され、それを3段回の資金調達で進めていくというものでした。今回のクラファンは、この資金調達をほぼ初回で達成したことになります。

やっぱりスゴイですのね。

READY FORには阪大のクラファンページが!

入り口が逆だったのかもしれませんが、このクラファンから「阪大のクラファン 特設ページ」があることを知りました。

READY FORといえば、

クラファン御三家と言われる CAMP FIRE、 シルクハット、 READY FOR の一角です。

東大、京大、阪大という幹事でしょうか?

やり口が阪大らしい

民間資本、しかも寄付で事業を成り立たせるというのは、阪大の発祥とかぶります。

大阪外大にしろ、大学の成り立ちは金持ちの寄付です。阪大らしさであり、外大らしさです。

こんな小さな民間組織が自然と合併・再編を繰り返して巨大化したのが「阪大」です。

東大や京大、その他の旧帝大や国立大学は皆政府主導であり、生まれも育ちが違います。さすが商人の街、大阪!と思わせる手法です。

寄付金控除というあざとさ

これらの案件には「寄付金控除税制」が適応されます。実は私も一昨年、確定申告でトライして見ました。(過去記事

ふるさと納税ほどの威力はありませんが、寄付金募集者の手腕が感じ取れます。

単なる「寄付」に「寄付金控除税制」を適応させるには財務大臣の許可が必要です。これを「大阪大学未来基金」という大学のHP上で実施するならまだしも、READY FORという一般クラファンサイトにも適応させる手腕はさすがです。

ふるさと納税という必殺技

もっというと、大阪大学箕面キャンパス整備事業の寄付金募集は、「ふるさと納税」適応です。

クラファン以上の大技で、総務省と箕面市の説得が必要です。大学法人がふるさと納税を持ち出すのは大阪大学が全国で初めてです。

この手のことは、一見早稲田や一橋大学と思われがちですが、本家は大阪大学です。

さすが、商人発祥だけのことはある。

寄付者のメリット

ここからは目線を変えて、寄付する人にとってのメリットです。

寄付のそもそも論

本来、寄付は美学であり、世に、歴史に、その名を残すことが最大のメリットです。

この世の大学と寺院は、大体そんな経緯でできています。

つまり、人の教育と冠婚葬祭は寄付の上に成り立っています。過去の寄付が積み重なり、人生の豊さができていると言っても過言ではないでしょう。

寄付のモチベーション

ただ、そんな金持ちの結果論ではなく、「する!」と決めるときの庶民的なメリット=モチベーションを書きます。

最大のモチベーションは、どんな小口出資であれ、誰かを応援できるということでしょう。

下記2件は、阪大のクラファン史上、最も集客・集金力のあった案件です。

小口資金のかき集めで大事業をできるというのは、動物界でも現代人だけの特権です。

税制優遇

上にも書きましたが、寄付金控除税制が適応されます。

個人の場合、寄付したお金の一部を所得から控除できます。さらに、特定市区町村においては、寄付金の一部を住民税から「税額控除」できます。

「一部」というのがミソで、ふるさと納税ほどは効果がありません。

法人の場合も似たような恩典があります。今の時期なら、決算対策でいいかもしれません。

そして、阪大箕面キャンパス事業のように、ふるさと納税が適応される寄付スキームもあります。

これはおすすめです。詳しくはこちらの記事を〜

銘板と芳名録のルール

これはそもそも寄付の醍醐味とも関係します。

阪大への寄付者は、まず芳名録にネット公開されます。(希望者のみ)

名義は自由で、金額も(たぶん)1円からいけます。

寄付金が2万円以上になると、阪大総長から感謝状が届きます。

そして、50万円以上になると、銘板に刻銘され、大々的に掲示されます。

銘板の裏ルール

ここまではネット掲載されている表のルールですが、実は裏ルールもあります。

※同窓会幹事として募金活動する中で、何度も事務局にも確認済です。

まず、名義は自由です。

苗字だけでもいいですし、フルネームでもいいですし、会社名や会社名+支店名、部活やクラブ サークル名でもOKです。

次に、50万円というのは「無期限累計金額」です。

つまり、「田中」という名義で100人の人が100年かけて5000円ずつ寄付すれば、結果として「田中」さんが銘板に刻印されます。

この中に、「田中」さんが何人いようが、「田中さん」ではない人がいようが、関係ありません。

寄付するときの名義は自由で、金額は「無期限累計」です。

さらに、寄付の受付窓口は複数あります。

①大阪大学未来基金、②READY FORクラウドファンディング、③箕面市ふるさと納税(期間限定)。

もしかしたらまだあるかもしれません。

逆にです。この裏ルールを知らずに損した人もいます。

例えば、夫婦でそれぞれ寄付してゴールドプレートを残している人がいますが、「苗字」で寄付していれば、プラチナプレートでした。

とか、本店と支店でそれぞれ寄付したがために両方とも銅板扱いになっていた会社もあります。社名だけで寄付していればワンランク上だったはずです。

このルールを知っていれば、寄付を集団の目標としても楽しめます。

私の場合は「ヒンディー語科卒業生一同」として10万円寄付していますので、誰が名寄せして、ランクアップさせてください!

私の夢

さて、同窓会の幹事として、歯学部に習って、何かしてみたいものです。

もしくは、既に募金中の外大案件があれば応援です。

と、探してみたところ、1件失敗に終わったものがあったようです。

なかなか難しいようですね。

外国語学部生に絞りすぎたのと、外国語学部生が英語リスペクトでないのが問題だったのでしょう。

 

夢をいえば、領事館と組んでスピーチコンテスト

先日の記事ですが、インド総領事館と阪大が主宰したヒンディー語のスピーチコンテスト がとても面白かったです。

卒業生としての夢をいえば、これを定期開催し(させ)、賞金付きの本気イベントにしてあげたいものです。

歯学部1000万円企画とは比べものになりませんが、賞金5万円でも大きな影響があると思います。

誰か一緒にインド熱を盛り上げましょう。