【分析】トランプかバイデンか 税制改正で消え去った不動産のうまみ

太陽光発電 賃貸マンション 資産

こんな調査をしている人に向けて書きます。

  • 不労収入が欲しい。年金資産を作りたい。生命保険を自己負担はバカらしい。
  • 不動産と太陽光、どちらに投資すべきか?
  • 結局トランプ(不動産)なの?それともバイデン(売電)なの?

この記事から得られるもの

サラリーマンでも簡単にフルローンで始められる不労収入、不動産賃貸と太陽光は有名です。では、どちらがお得か?両方とも損得ありますが、アメリカ大統領選挙と同じく、バイデンさんの勝利です。その理由を、実際に両方持っているものの立場から語ります。

この記事を書いている私は

2017年に新大阪にワンルームマンションを買い、3年間賃貸業をしています。また、今年の1月に太陽光発電を宮崎県と兵庫県に1機ずつ買い、売電事業も始めました。営業マンや販売会社の社長含め、両方を持っている人は珍しいと思います。そんな私が、「物件の良し悪しに左右されない指標として」税制面の損得を説明します。補足しておくと、不動産業での消費税還付は、情弱ゆえに失った立場です。

本日の記事

  1. バイデン有利な税制
  2. 税制改正で消え去ったトランプの隠し武器
  3. 両方持っている私の意見

1.バイデン有利な税制

消費税還付の仕組み

消費税は取り返せる!これを知ったときは、私は本当に驚きました。その仕組みを説明します。消費税は、消費者が負担し、事業者が払う税金です。(=典型的な間接税)納税額は、次の計算式になります。

「納税額」=「受け取った消費税」ー「支払った消費税」

例えば、100円のものを買い(支払った消費税10円)、1000円で売った(受け取った消費税100円)場合、納税額は100円ー10円=90円となります。消費税は二重払いにならない仕組みになっています。

課税売上  1,000円 受取消費税100円
課税仕入    100円 支払消費税 10円
利益     900円 納税額   90円

しかし、創業1年目とかで、投資額が多い場合、納税額はマイナスになり、還付されます。

例えば、1億円の設備を買い(支払った消費税1千万円)、売上が10万円(受け取った消費税1万円)の場合、納税額は1千万円ー1万円=999万円税金が還付!となります。もっと言えば、法人化して会計年度を1ヶ月でクローズすれば、還付額は1千万円になります。

課税売上       100,000円 受取消費税    10,000円
課税仕入   100,000,000円 支払消費税10,000,000円
利益     -99,900,000円 納税額   9,990,000円 還付

これは、単なる「過払い」が戻ってくるだけの話に思えますが、医者や大家さんには適応されない税制です。バイデン有利で、トランプ劣勢とは、この消費税還付スキームのありなしです。(ホテルなら別かも。。。)

益税と言われる裏事情

消費税率UPで利益が増える!消費税の益税効果!これを知ったときは、私はもっと驚きました。繰り返しですが、消費税は、消費者が負担し、事業者が払う税金です。ただし、売上が1千万円以下の場合、この「払わなくてもいい」仕組みになっています。では、受け取った消費税はどうなるか?なんと、自分のものになります!

例えば、100円のものを買い(支払った消費税10円)、1千万円で売った(受け取った消費税100万円)場合、100万円は自分のものになります。

課税売上 10,000,000円 受取消費税1,000,000円
課税仕入        100円 支払消費         10円
利益     9,999,900円 納税額    999,990円 納税免除
手残り    9,999,900円+999,990=10,999,890円

変な話かもしれませんが、その理由は、こうしないと社会が回らないのです。

例えば、駄菓子屋のおばあちゃんなど、一般の小規模事業者が、大企業のように複雑な会計帳簿をつけることはできません。軽減税率とかも加わると、もう大変です。それでも消費税を世間に浸透されるためには、どこかで足切りが必要です。この制度を利用して、売上1000万円を目処に、法人を分ける人もいるようです。(私は、個人経営)消費税は、今後増税傾向なので、増税=益税で、バイデン有利の税制になっています。

参考:国税庁HP No.6501 納税義務の免除

2.税制改正で消え去ったトランプの隠し武器

通常無理な理由

繰り返しですが、消費税は、消費者が負担し、事業者が払う税金です。そして、大家さんの場合、この「事業者」ではなく、「消費者」として扱われます。

消費税は、一見全ての国民が全てのものに支払う税金と思いがいです。しかし、住居の賃料や医療費など、なかには消費税がかからないものもあります。でも、家や医療用機器には消費税がかかります。では、誰が消費者であり、負担する人なのか?答えは、大家さんと医者になります。住居人と患者さんではないのです。

参考:国税庁HP No.6225 地代、家賃や権利金、敷金など

金(きん)という裏技

ここで登場するのが、金(きん)の裏技です。トランプさんらしいですよね

なぜか、日本では金に消費税がかかります。海外ではフツーかかりません。入国時に「金を持っていますか?」と聞かれるのは、このことです。消費税のかからない海外で金を買い、日本で売れば、それだけで消費税10%の利益が出ます。そして、これは違法です。

似て非なるものとして、金を使った、不動産業の消費税還付スキームがあり「ました」

消費税には、複業事業者向けに、課税売上が95%以上の場合、仕入れの全てを課税売上に対する仕入れと見なせる制度があります。国としては、消費税計算の簡略化と納税額の増加を見込んでのことでしょう。この制度を使って、金の取引をし、不動産業ではなく、金の取引きをしていることにしてしまします。そうすると、建物を買ったときに支払った消費税を課税仕入にし、仕入税額控除を取れるようになります。

例えば、1000万円のマンションを買い、100万円の消費税を支払ったとします。このままでは、自分が消費者として100万円分の消費税を負担する必要があります。そこで、この建物を、初年度は賃貸物件としてではなく、「金の売買」をするための場所として使うことで、消費税の還付が取れるようで「した」。詳しくは、その手の「戦う税理士」がいます。

今年の10月で隠し武器は消えた

今年の10月から「大家さんの消費税還付、そのものを認めない」という税制改正が施行されました。これにより、大家さんの消費税還付の方策は完全になくなりました。

大家さんと国税庁は、長年いたちごっこを続けてきました。マンションの1階にやたらと自販機があったり、テナントが入っていたり。不自然な金(きん)の売買があったり。ふとした街の風景に、このいたちごっこの名残があります。これも、今回の税制改正で全てのチャンスがなくなりました。

参考:国税庁HP 消費税法改正のお知らせ

私の話をすると、この裏技を知ってはいたのですが、税理士の弱腰と不動産管理会社の圧力で断念しました。有形資産に投資する場合は、販売会社がどんな税理士とお付き合いしているかは大切です。「戦う税理士」を抱えている組織は珍しです。また、戦う税理士がいても、「戦う社長」でないと、先には進みません。投資をすれば、大なり小なり、自分は社長。税金周りの勉強は必要だと思います。他人任せ前提なら、投資しないことを勧めます。

3.両方持っている私の意見

短期メリットとしては、確かに消費税還付は大きく、バイデン優勢です。中期的に見ても、消費税の益税効果で、バイデン優勢です。

しかし、一番の違いは、「出口戦略」です。これは、両方持っている人しか知らない、超!隠し武器です。さて、アメリカ大統領選挙は、実際のところ、トランプなのか?バイデンなのか?詳しくは別の記事にします。