なぎささん インドの新工場立上げに出向? 場所は古巣の南インド#1
人生の転機は突然のようにやってきます。
- 海外勤務をすれば、手当ても含めて給料は倍!
- 家族で駐在できれば、子供はインターナショナルスクールか?
- 戻るころには家族の絆と役職UPも。。。
海外に駐在勤務というと、こんなイメージです。これが突如湧き上がった時のおどおどした感じをまずは書きます。1回目の記事です。3部作になります。
本日の記事
- ふとした雑談から海外出向の話が湧き上がる
- ボタンを押すなら今のことき
- 帰り道、1人でオドオドする
この記事からわかること
突然のチャンスと変化に、慌てふためくサラリーマンの心境がわかります。
ためにならない話ですが、その立場になったら、急に「すがるもの」も欲しくなります。もし同じ境遇の人がいたら、参考にしてください。目立てば夢は叶いますが、それは人生の選択です。分岐点を自分で作ることになるので、しっかり考えましょう。今日のところは、まず感情の整理です。
この記事を書いているなぎささんは
前職で5年間、南インドのバンガロールに駐在勤務しました。
その時は独身でした。今は子持ちの3人家族です。自慢ですが、私にははっきりと「インド特性」があります。そして、妻にも。家族にも。書くと長くなるので、そこはおいおい。。。いつか家族で海外駐在もしてみたいと思っていました。飲み会の席では必ず、上の人にアピールもかかさずしてました。そんな活動が、実を結んだのか。人間、夢の実現を前にすると、あたふたするものです。もっと先のことかと思っていました。
1.ふとした雑談から海外出向の話が湧き上がる
今日の記事は私の心理状況を整理したく、ドラマ仕立てです。
✔︎職場の席の配置
実は身の回りにはインド経験者がそこそこ多いです。
上司はインド担当で、数年前までよくインドに出張してました。(今は疎遠)
隣のしまには、インドに1年間駐在した生産管理のマネージャーがいます。
他部署ですが、後ろの席には、元インド小会社の社長(元部長)がいます。
このフロアーの役員は、インド出張も含めて、海外駐在歴(たぶん)20年の強者です。
あと、距離はありますが、社外取締役には、前職の社長がいます。私をインドに出向させた張本人です。古い体質の会社ですが、いるところには「インド臭」が密集しています。
✔︎雑談は仕事上のふとしたことから
後ろの席にいる元インド小会社の社長が雑談をはじめました。
“インドでは日本人は(高くて)雇えないから、中国国境付近にいる日本人顔の人をよく雇う。いつもは中国人扱いで差別されているが、日本食レストランではお高くかくまってもらえている。。。”
まぁ~ここまでは、よくある話。私は仕事が忙しいので、仕事カリカリ。
✔︎いきなりマニアの会話に突入
”その彼らの出身地は日本と古い縁があって。インパール作戦で、実は昔もお世話になった間柄なんだ。日本は彼らとともに戦った。”
え! そんなマニアックなことをなぜ知ってるの? 仕事が忙しいが、耳だけそっちに。。。
<<インパール作戦のウンチク話で盛り上がる>>
なぜ、なぜ、なぜ、そんなオタクな話で盛り上げれるの。こみ上げてくる自分のインド好きが爆発しました。
✔︎なぎささん、おっさんの会話に割り込み
「私、そのインパール作戦の戦場跡に行った珍しい日本人です!」
<<みんなびっくり!!!>>
「あそこ、外国人は絶対に入れないんですよ」
「日本軍のせいで、今だに武装組織が独立運動していて。中国とは国境問題があるのに、ウランが出てくるし。情報規制が厳しくて。たぶん北朝鮮と同じくらい入るの難しいんですよ。」
「私は、たまたま名前がそこの部族民と同じだったんで。あと、学生証というインド人扱いの身分証を持っていたので、うまく入れました。地元民のクラスメイトが道さき案内してくれて」
「困ってもヒンディー語でチョロまかして・・・」
✔︎興味を持った役員が席を立って私のところにくる!!!
”すると、君はヒンディー語ができるのか?南インドの言葉はどうだ”
「ヒンディー語はバリバリです。南インドは5年間駐在してたんで、古巣です。言葉はヒンディーではないですが、通じます」
”すると、書けるのか?”
「楽勝です。例えば、机の上にあるテキトーな書類を今、ヒン訳します!。ほら」
”・・・。わからん。正しくても、わからん”
「そーなんですよ。しょせん、ヒンディー語はどんなに話せてもビジネスでは使えないんです。みんな英語です。英語を話せない人は、やとっちゃダメですし」
「でも、大事なのは、人気です。インド人はこの能力に熱狂してくれます」「お客さんとか」
”ほーーーう。お客さんが!よろこぶ!!!”
役員の顔から、どえらい笑顔がこぼれました。周りの人も。
”後任者は決まりではないか!”
「・・・」
✔︎南インドに工場建設のプロジェクトがあるらしい
急な受注で、新工場の建設予定があるとか。そして、人がいないから、北インドの会社がとりあえず、対応中。
”人がたらなくて困っている” ”すぐにでも!!!”
この状況、痛いほどよくわかる。。。
✔︎昔を思い出し、仕事に手がつかなくなる
全く同じ展開を、前職で味わいました。
入社3ヶ月目のある日。社長から上司に電話があり。
「最短で、なぎささんをインドに送り、最長期間いさせること」
「仕事は、会社設立と工場建設」
「場所も人員も、全て未定!!!!」
「まずは、1人目を。インド好きな若者に任せる」→私、入社3ヶ月目ですけど。。。
プロフィールに書いた「3万坪の土地買収」につながる序章です。
過去の話とあまりに雰囲気が似ている。
2.ボタンを押すなら今のことき
✔︎給料2倍になる
元インド法人の社長いわく、手当ても含めて給料は2倍。
先日昇格試験に落ちてグズっていたのバカみたいです。3階級昇進か!
✔︎職場は南インド
なんと、古巣です。まったく同じ街ではないですが、慣れたもんです。私、住んでました!
✔︎日本人学校
その街には、インドでも、数少ない日本人の補習校があります。
2015年には、天皇陛下がご視察に来られた場所です。インターナショナルスクールもあります。家族も一緒なら、この「芸能人」みたいな教育を娘にプレゼントできます。ことの良し悪しは、駐在時代にお世話になった友人であり、大学の先輩が関係者にいます。もしかして、またも取引先か?
✔︎ボタンを押すなら#1
役員にはよく人生相談をさせてもらっています。
いつものように、時間をもらえれば、誰にも負けない「自分のインド特性」を説明できます。育ち+学歴+職歴+言語。もう書かないですが、誰にも負けないものを持っています。
✔︎ボタンを押すなら#2
社外取締役には、前職の社長がいます。私をインドに送った張本人です。
「送った」というのは、大学時代の私と、会社員としての私の両方です。
前者は異例の短期バイト。2週間で1年分の生活費を稼ぎました。
後者は会社の最年少記録を塗り替えた最短での出向です。
社史に残る出来事として、社長は退職前に社内出版してました。5万人もいる中の1人ではありますが、私の「インド特性」をもっともよく知る「権力者」です。
✔︎妻も実は
インドの言葉を大学で専攻してました。自画自賛が好きな私ですが、経歴をかけば、妻の方が上です。たぶん、当時の写真1枚見せれば、いとも簡単に「大人」を説得できます。2年間であれば、夫の付き添いを理由に、職場を休めます。
3.帰り道、1人でオドオドする
✔︎とは言いつつも、娘は1歳
もしインドに一緒に行ったとして、子育ては妻に集中します。他に頼るところもありません。病院はどうしたらいいのか。娘の生活は保てるのか。実家のサポートがあり、病院も職場も保育園も近い今の環境は神です。これを捨てて、インドで同じものを手に入れられるのか。
✔︎インドはコロナで大量の死者が出ている
心配に追い討ちがかかります。インドの感染者数はアメリカとブラジルに次ぐ、世界3位。ワクチンの普及を考えると、長引きます。あの国は「自然信仰」のかたまりです。絶対に治りません。死者もかなり出ています。ガンジス河の浄化が先か、コロナ収束が先か。。。
✔︎実は、経歴が最強でも、インドに向かない妻の実態
日本での活躍とインドでの生活力は別物です。向かない人には苦痛です。細かくは書きませんが、妻には向いていないです。ゴキブリさえ1人で倒せないのに。。。
✔︎妻の心境
私のインド好きをこの世で一番知っている人です。安直にNOとはいいません。
インド好きが理由で、出会いました。
インド出向をきっかけに、付き合いはじめました。
5年間も、ただひたすら待ってくれ。私との結婚を大切にしてくれました。
目前のチャンスに、今オドオドしています。