インド人への説明の仕方
週末は徒然記事を書くと決めているなぎささんです。
今週は妻から「インド人への説明の仕方」を相談されました。
頼られると一生懸命悩む性格です。自分なりに、色々と過去を思い出してみました。
かっこいいことを書こうとはしていますが、これは対人関係の話です。いつまでたっても初心者です。これを見て気を悪くする方がいたら、自分を改めます。そのつもりで、妻にむけて書いてみようと思います。
妻の仕事は公言できませんが、とある「窓口業務」でインド人が来たようです。
しかも、英語も日本語も話せないインド人に、「日本独特の社会システム」を説明する仕事です。
ここで2点補足しておきます。
まず私はインドに5年駐在勤務していた過去がある上に、誰にも負けない「インド特性」があります。(関連記事#1、#2、#3、#4、#5)
インド人との付き合いは長く、色々思い出すものがあります。
次に妻は、インド特性はないですが、言語と絵の才能があります。大学時代私と一緒に、ヒンディー語を勉強していたので、ヒンディー語はそこそこ話せます。何なら、英語より自信があるようです。
この前提で、
「ヒンディー語しか通じない相手には、ヒンディー語の隠し能力を実務発揮すべきか」
との相談を受けました。
結論は激しくN Gです。
理由は、友達関係ではないからです。次からナメられるか、仕事以外で不必要に頼られます。両方とも本来の仕事関係という日本人的なつながりができなくなります。
正しい対応は、何度も英語(or日本語)を浴びせ、理解してもらうです。
もっというと、ヒンディー語だけではなく、得意のイラストや説明資料も不要です。
なぜでしょう???
それはインド人(特にヒンディー語のみの話者)は「耳」で理解する人種だからです。
この逆は「目」で理解する日本人です。
日本人の頭でいうと、次のことは失礼に当たります。
- 外国人に日本語を使うこと(日本なのに)
- 何度も同じ説明を繰り返すこと
- 説明資料がないこと
- 絵も図もない資料を使い続けること
でも「耳」で理解するインド人はこの前提で生きています。
- 仕事は英語でするもの (ヒンディー語は友達言葉)
- 英語が分からなくても、何度も英語を浴びることで理解はできる
- どんな説明資料より、音声での反復説明が助かる
- 絵や図解よりは乱雑な音と文字の方が分かる
日本人が丁寧に説明しようとしても、その手段はあまり価値を持ちません。
丁寧さが無意味になると、嫌気に変わるので注意です。
インド人の理解の仕方は数学を習う前の日本人に近いです。小学生が童話を容易に暗唱するように、音での理解力がすごいともいえます。
例えば、
日本人どうしなら、税金の計算などは数式を見せる方が理解しやすいと考えます。
グダグダと法律の条文を言われても、理解ができません。
この点、インド人は逆です。
(1+9)*(2+8)÷10=10という数式があったら、
1足す9は10、2足す8は10、10掛け10は100、100割る10は10 答えは10
というように音読するように理解します。(関連記事)
料理のメニューも写真付きのイラストよりも、フレンチみたいに文字の羅列を好みます。
この頭脳の人だと、音にならない図解は理解しづらいです。むしろ、言語を問わず、何度もお経のように唱えれもらえれば、その言葉で理解します。そして、それが「失礼」ではなく、「丁寧」となります。
時間がかかりますよね。
なので、結局日本人は疲れて終わります。
実務でこの仕事が降ってきたら、私なら逃げる方法を考えるでしょう。
プライベートのことなら、ヒンディー語でインドの思い出話でもしたいです。